子供向けだからか、幼少期の話が多くてあとは駆け足気味。
「咸臨丸にかけた夢 幕末の数学者 小野友五郎の挑戦」
著者 鳴海風
さて、またまた鳴海さんの和算小説です。
今回は咸臨丸で航海長をした、小野友五郎の小説です。
こちらは以前書いた小説「怒涛逆巻くも」を子供向けに書き直した本です。
そのためか話しは結構駆け足で進みます。
しかし、オランダ語を知らずに西洋の航海術を身につけるとか、ものすごい勉強したというのはよくわかります。
そして、「忍耐する」という事が大事と知ってから、壮年までが駆け足です。
ここはもうちょっと掘り下げてもらいたかったな。そして、メインの話が咸臨丸でのアメリカへの航海。こちらは打って変わって丁寧な筆致で日記のように実際に乗っているような気分です。
最後はさらっとですが、アメリカでの歓迎ぶりなどでした。
和算の話は最初の方と中頃ですが、弟子入りした長谷川寛の数学道場の事などきちんと当時の状況なども書かれていて興味を持ってもらいやすくなってます。
読みやすくて次に繋がる良い本ですねぇ。
(2018/01/17読了)