この世界観のリンクの深さがハードル高いよね。
著者 上遠野浩平
ライトノベルでは
「ブギーポップ」とか「ソウルドロップ」シリーズで有名な作者ですが、出した作品全てが他のとリンクしている事でも有名です。
こちらの本の元のシリーズ、「事件シリーズ」でも、舞台は魔法ありの異世界ですが、私たちの世界と少し繋がってて色んなものが流れて来ると言う設定があります。
この本では逆に私たちの世界(と言っても「ブギーポップ」シリーズの世界ですが)に「事件シリーズ」の人(の思念)なり物なりが来たと言う話になっています。
なので、「事件シリーズ」の刊行に合わせて、随時出された短編集なので、私も最初の方は読んでいたのですが、単行本になるのに10年以上掛かってる事になります。うーん、凄いですね。
中身はそんな感じですが上遠野さんらしい、生きるとはとか、勝つというのは何かをぼんやりと感じさせる話しが多いです。
個人的に良かった話しは「ジャックポットの匙」です。
この中に出て来る「勝ち負けの比率は7:3で負ける方が多い。だからどうでもいいところで負けて、ここぞというところで勝つんだ」と言うのは読んだ当時なるほどと思いました。
他の話も面白いのですが、後の方になるほど、元のシリーズとの繋がりが薄くなるような感じで、まあ仕方ないのかなと思いつつも残念でした。
2017/03/20読了