ある意味懐かしすぎる情景が広がります。
「昭和な街角」
作者 火浦功
何というか、まだ新刊が出るのが奇跡のような作家です。とはいえ、これは過去の未収録作品集。いずれも1989-1990と前時代の作品ばかりです。
中身は短編が多く(つまりこの頃から長続きしない作品ばかりですが)、さっと読めるぐらい中身は薄め。まあ、C調と無責任な作風ですからねぇ。私はこの中のは1つ以外は未読でした。
この中では、「世紀末の過ごし方」が中編と言える長さでかつきちんと最後までありますが、60年代を過ごした人にしか分からないネタのオンパレード。まあ、まだ携帯も出てないころの話ですからね。
内容としては昔出会った女の人を10数年経って探して・・・みたいな感じでミステリー調ですが、まあオチは弱くてよくわからないです。
ただ、この作者には珍しくセンチメンタルなお話です。
その他のもほどほどにSFだったり、ミステリーだったりとこの作者にはありがちなバカでスチャラカなお話が少な目。
この辺が未収録の由縁かしらん。
まあ、この作家が好きならオススメです。
あと、1990年代の雰囲気を懐かしみたい人にも。
(2016/8/18読了)