散文的な内容だが、数学の楽しさはわかる
「算木の家」
遠藤寛子著
こちらは「算法少女」で和算に嗜む女性を描いた人の本。大正時代の女学生と江戸時代の藩士が書かれています。基本的に女学生が算木を見つけて、そこから江戸時代の話が続いて、その後にまた大正時代のに戻って明治維新の話を聞くという、筋書きです。しかし、どちらもあまりはっきりしたオチをつけていないため、何だか尻切れとんぼのようになってます。
そこまでの話はかなり丁寧で、有名人(関孝和の養子さんとか)もちょこっと絡めたりしてていい感じなので、もう少し長く書いても良かったかな?という印象。ただ、米沢藩の様子や情景描写は秀逸で、入り込んだようなように読めます。
また、和算の描写もしっかりしていて、明治維新からの算数教育の話もあって、庶民の数学史としても楽しめます。
ページも短く、さっと読み終わるので中高生とかには良いかな。
(2016/7/21読了)