レモンと本好きな人の記録

レモン味が大好きな人です。毎年期間限定のレモン味の商品のレビューをしていこうかなと思います。

和算の当時の熱狂ぶりがよくわかる本。

円周率を計算した男

鳴海風

 

こちらは和算を題材とした小説を多く書いている作家さんの短編集です。他には名前が歴史に出てこない方の話が多いですが、表題作のは関孝和の弟子の建部賢弘が主人公で、もう1つずっと後の関流の神谷定令と最上流の会田安明との話がとても有名な逸話ですね。

ただ、どの話にも女性が絡んでいて、しかもその女の人があまり良い最後に成らないのがちょっと辛いです。お話としてはどれも算数に拘ってしまって色々と厄介なことになった人がまあ、最後は割と良い方向に向かう話が多いです。

和算については大変勉強している作家なので、かなり正確。途中で小解説もあり、江戸時代中期から後期の事情がよくわかります。

あと、時代が近いのでいろんな所で他のお話で出てきた人が登場してニヤリとしたりしますね。

どれもがっつりと読み応えがあるので時間がある時にゆっくりと読んだ方がいいかもしれません。

 (2016/7/21読了)

 

円周率を計算した男 (新人物文庫)

円周率を計算した男 (新人物文庫)