一応話しは終わってますが、2巻に続くらしいです。
「算額タイムトンネル」
向井湘吾
さて、久しぶりに本の感想です。
今回の本はこれ。いろんな和算の出て来る小説を読んでますが、ここまで直球なのは久しぶりです。
あらすじとしては、現代の女子高生が友人の神社にあった算額を通じて江戸時代と連絡が取れるように成ります。どうやら向こうは幕末、大政奉還などで混沌としてる時代。そして、女子高生は親が離婚寸前でこれまた悩んでる。
そんな2人が算額とそこに書いた数学で交流した事で、ちょっとした事から歴史が変わっていくと言う話。
しかし、江戸のパートと現代のパートが(まあ、当たり前なんですが)あまり絡まずに中盤くらいまで進んでいきます。
和算については江戸時代の主人公が和算が好きな武士で、内田五観という有名な先生(この人は西洋の数学も知ってます)に習ってます。
そして、最初の方には「算法少女」が出てきたりと、背景がリアルです。また、現代の方は数学オリンピックに出ようとするなど、すごくできる子のよう。
残念なのは最初から和算は古いから、独自だから西洋数学より劣ってるという発言がある事。
後からはわかりますが、そうじゃないんだけどな〜。
あと、数学の問題は問いはあるものの、答えやその方法はほとんど説明なく、その辺りはちょっと不満。歴史物の方がより好きなのかな。
あと、歴史物の要素も作者が好きなのか、唐突にナレーション風の文章が入ってきます。これもなくても良かったかも。
で、いろんなことがありますが終盤は怒涛の展開。まあ、ご都合主義的な話も多いですが。そして、エピローグではあれ?となってこれで終わりかと思ったら、2巻に続くとあり、ちと肩透かしです。
だったら上下巻とかにすれば良かったのに。モヤモヤが残る本でした。
(2018/07/13読了)