ちなみにおえいというのは伊能忠敬の年をとってからの妻の名前だそうな。
「猫暦」全3巻
作者 ねこしみず美濃
ねこ好きのためのコミックねこぱんちで連載されていたお話です。
江戸時代ものでしかも天文学が主題です。
時代は寛政年間、ちょうど改暦を行なっていた頃ですね。
主人公はおえいと言う少女で、貧乏な道場の娘さんですが、星が好きな女の子だそう。
そこにねこまた?の妖怪が来て、許嫁だと言われて、色々と教えて貰いながらやがて司天台(幕府の観測所)の人たちと仲良くなって・・・という話です。
時間的には3年ぐらいで、全3巻なのでやや話しが急いでいた感もありました。
で、このおえいちゃんがしばらくしてお世話になるのが勘解由殿という人。
中々本名が出てこないのですが、千葉の方の名主で老人で・・・と聞いてやっとあの伊能忠敬だとわかりました。
そして、その下で色々と勉強するのですが、猫又の妖怪(ナツメという)が異国(多分ヨーロッパ生まれ?)の知識を教えてくれるおかげでかなりの最先端の知識を得て、大活躍します。
そんな感じで天文学や改暦のあれこれを2巻までで、紹介してましたが、3巻では大奥にいる唐通詞の七尾さんが登場って、名前から妖怪ですねぇ。
で、実は許嫁っていうのは闘いの相手って意味みたいで、ナツメくんはこのおえいちゃんの魂を食べなきゃいけないらしい。でも友情があるし、という感じで最後は予定調和な終わりです。
ただこの作者たち、コンビなんですが、片方が天文学好きという事で、そのあたりの描写、考証はしっかりしてて安定して読めます。
天文学の話という事で、もっと和算の話とかが出るかと思ったのですが、ほとんどその話は出なくて、わずかに高橋至時の息子が出てくるときに手習いで数学が少し出てくるぐらいです。
まあ、この辺りは主人公が小さいので致し方ないですね。
でも、子供達に江戸時代、天体観測はどうであったのかというのを知ってもらうにはいい本ですね。
猫暦 二巻 (ねこぱんちコミックス(B6判サイズ、カバー付き通常コミツクス))
- 作者: ねこしみず美濃
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2015/05/11
- メディア: コミック
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(2017/12/26読了)