久しぶりに読んだけど、このシリーズはやっぱ面白いわ。
「NOVA+ バベル」
大森望 責任編集
以前のシリーズも時々読んでましたが、完全新作、読み切りなので読みやすく、作家の作風も知ることができて、お得なシリーズです。
以下、それぞれの短編の感想です。
「戦闘員」宮部みゆき
おじいさんの妄想なのか現実なのか、監視カメラが人を殺すという事実を知り、戦うことを決意するお話。SFと言うよりは私はホラーを感じました。「世にも奇妙な〜」でドラマ化されそうなお話。
「機龍警察 化生」月村了衛
シリーズものの中の一編ですが、見てなくても大丈夫でした。こちらは短くてストーリーだけをさらってる印象。警察内部はホント大変やなぁと。
「ノーパラドクス」藤井太洋
時間遡行をしてもパラドクスはない!(と言うか、並行世界に移るので問題ない)という考えを推し進めたお話。で、殺人事件から大きな話に展開します。アイディアは面白かったです。
ただ、文体は若干慣れず。軽い感じがして、あんまり好みではないかな。
「スペース珊瑚礁」宮内悠介
宇宙時代の金融取り立て・・・何だけど内容はほとんどバカSF。楽しめたらいいじゃんという感じで、ご都合主義やら伏線の回収もざっくりと。嫌いじゃないけどオススメはしないです。
「第五の地平」野崎まど
チンギスハーンが宇宙に進出してて・・・と言うだけでもうバカバカしい。その上宇宙草原やら宇宙馬やらガジェットもバカバカしいです。(褒めてます)
で内容はひも理論の説明とその次元の超越方法ですが、オチまでバカだなぁ。
ここまで突き抜けると清々しくて面白いですね。
「奏で手のヌフレツン」酉島伝法
方々で話題になっている人で初めて読みました。中身は面白いんだけど、造語、世界観が独特でかつ説明はなし。
普通に書いてくれたら面白そうなのに。
「バベル」長谷敏司
表題作、イスラム教徒とファストファッション、コンピュータのお話。イスラム圏は縛りが多くて大変だなと思いました。
「φ」円城塔
最後は円城塔。何と言うかSF何だけど思弁的。実験的な作品です。好きな人は多そう。
ちょっと辛口になってしまいましたが、どれも平均以上にはたのしめてるので、このシリーズは次のも読んでみたいですね。
(2017/04/21読了)