中々に面白い事件と考え方で面白い。
「鳴る岩 霊験お初捕り物控」
さてさて、宮部さんの江戸時代ものです。この時代に怪異ものとはもうどんな話なんでしょう。
主人公は霊験(超能力)で、その人や物の過去を見ることが出来るそうです。
今でいう、リーディング?みたいな感じでしょうか。
そして、子どもの死亡事件と死人の蘇り。これが忠臣蔵の赤穂浪士に繋がるのですが、まあ、情報は後半にならないと揃わないので、前半はどうなるんだ〜という、ドキドキだけ。
で、この主人公の相棒が右京之介という与力見習い。親は鬼の〜と呼ばれるぐらい怖いのにこちらはひょろひょろと頼りない。しかも与力以外になりたいものがある様で、色々と謎が増えます。でこちらの謎は中盤叔父さんが訪ねてきてわかります。
このおじさんは和算家で日本を旅して教えている遊歴和算家という人だったそうです。で、このおじさんみたいに自分も和算家になりたいんだけど、親の仕事を、継ぐしか無いので・・・と悶々としていたとのこと。
なんかこういうのって分かりますよね。親の期待が大き過ぎて・・・
でも、事件の解決のために一生懸命記録を取って、そしてそれが糸口になるのですから、中々面白いです。
そして、終盤はいろんな人の過去の思いと事件の犯人との思惑がリンクして、もうハラハラします。(もちろんハッピーエンドですよ)
しかし、読者の多くはこのヒロインと右京之介がくっつくんだろうな〜と思ってるのですが、今回ではそれはなし。
その顛末は続編で出てくる様です。
でも右京之介さんは奥手ですからほとんど進展はしないんでしょうね。
(2016/7/30読了)