レモンと本好きな人の記録

レモン味が大好きな人です。毎年期間限定のレモン味の商品のレビューをしていこうかなと思います。

宮仕えの哀しさとか、辞めて自由になるとか中年向けのお話。

「つまをめとらば」
青山文平著

今回も時代小説、そして短編集です。舞台は文化文政のころの江戸。まあ、使いやすい舞台ではあります。
そして、武士(貧乏な旗本や藩士)とその妻(妾)が主人公です。
職業などは色々ですが、大体は今の仕事(もしくは勤めや家の事)で思い悩んでるが、ある事件がきっかけで武士をやめて得意分野で生きることを決断する。
と言う流れになってます。
その得意分野が釣り道具だったり、俳諧だったり、和算(江戸時代の数学)だったりするのが新しいかな。
良かったのはその過程でいろんな武士の生活や文化がよく分かること。武士も大変だよね〜。と思ってしまいました。
和算は後半の2作(「逢対」、「つまをめとらば」)。最初の話では独学の和算家として頑張ってる人、もう一つは、越して来た幼馴染が、和算をやっていたと言うことで、明言はしていませんが、内容から最上流の師範のようです。有名な関流と最上流の争いの話もちらっと出てきます。しかし、最後の話はそれよりもジジイ達の穏やかな老後が書かれています。
なんだかいい感じなんですね。私もおもわず同意してしまいました。
そんな感じで紹介しましたが、今回の時代小説は流石に大人の雑誌に載ってたのでちと色気があります。R15くらいかな。まあ、大したことではないですが。

 

つまをめとらば

つまをめとらば

 

 

(2018/03/27読了)