レモンと本好きな人の記録

レモン味が大好きな人です。毎年期間限定のレモン味の商品のレビューをしていこうかなと思います。

和算家ってこんな感じの人が多いかも。

「理屈が通らねえ」
著者 岩井三四二

算法家が諸国を漫遊したら、どうなる?
というわけではないでしょうが、意外と実際の和算家も出かけていって教えたり、習ったりしていたようです。
主人公は江戸でもっとも権威のある長谷川道場の高弟。難問の十字環の体積の問題の解法を作り出し、懸賞金やら養子先の当てとかがうまくいきそうだったのに、他にもっとすごい回答ができたからと言われて全てがご破算になりそうに。
納得がいかないのでその和算家を探して関東を歩き回りますが、何かと宿泊先でトラブル
に巻き込まれて・・・という連作短篇集
主人公は武士でもあるので、割とすんなりと旅をできているのですが、庶民では大変だったろうなと。
トラブルについてはよくあるものですが、これを数学的に解決しようとするので、こじれてしまって、人情的な解決になってしまいます。
そして、主人公が「理屈が通らねえ」と呟くのがいつものお決まりパターンです。
私も理系の人なので主人公の言うことには納得できるものの、それじゃあ上手くいかないよねぇと思いますよ。
また、描写で和算の背景や学者の奇妙な振る舞いなども細かく紹介されてて、ちゃんと文献を読んでるなと言う感じです。

和算の問題はそれ以外に覆面算と円周率の求め方が登場。かなり詳しく書かれています。

十字環の問題は今でも難しいようで、あとがきでその証明が載ってる論文は紹介されてるので、挑戦してみてもいいかも。

 

 

理屈が通らねえ (角川文庫)
 

 

(2018/03/19読了)