レモンと本好きな人の記録

レモン味が大好きな人です。毎年期間限定のレモン味の商品のレビューをしていこうかなと思います。

基本的に日常の不思議を解決するミステリ風時代小説

「泣き虫先生、幽霊を退治する 手習い所純情控帳」
誉田龍一

江戸時代の寺子屋を舞台とした、歴史小説。と言っても日常の小さな謎を解決する定番のお話で、長編ではなく連作短編です。
ネタもお手軽で、展開も早いのでサクサク読めます。
主人公は元は武士で着服の濡れ衣をかけられたものの、疑いが晴れた後も居候して寺子屋の師匠となっている人。で、この人がとにかく涙もろくてよく泣きます。まあ、泣いてる人には逆らえなくて悪い人もそれに感動して改心して・・・なことが多いです。
そこに元寺子屋の筆子の同心や元の師匠のお寺の住職、動物と話せるお医者さん(女性)が絡んでいきます。内容はちょっと湿っててもこの人たちが楽天家なのでなんか軽〜い感じになってます。
もちろん寺子屋ということで和算も登場。主人公は、商売人と言えども(むしろだから)算術を知っておくべきということで「塵劫記」がよく出てきます。そして、この話の中では油わけ算の問題が出てきてます。オーソドックスな解法とトリッキーな解法と二つあり、ちょっと捻ってるなと思います。
このシリーズは全4巻らしいので、他のにも和算の話が出てきてないかな?

 

(2018/03/15読了)