のちの作品のアイディアが詰まってる。
煙突の上にハイヒール
作者 小川一水
こちらは短編集です。2008年前後に小説宝石に掲載されたものをまとめたものです。どのお話にも男女の恋愛?というか人との関わりが描かれてます。SF小説なんですが、SF要素はガジェット程度にとどめて主眼はこういうガジェットを使ったら、あったら人との関わりはどうなるのかと言うところを描いてます。
例えば表題作は1人乗りのヘリコプターを勢いで買った女性がそれをどういう視点で使ってるかに多く割かれてます。
あとは、他の作品にも使われたアイディアが幾つもありますね。白鳥熱の朝には現在継続中の天冥の標の重要な感染症とよく似ていますし、おれたちのピュグマリオンのようなラジコン操作のロボットは他の短編集にも同じような状況が描かれています。
そうやって眺めてみると、どれも原石のような輝きを持った作品かなと。
個人的には白鳥熱の朝にが1番良かったです。
(2016/9/13読了)
PSあ、この中のイブのオープンカフェという作品のオチが乙一さんの某映画化もされた作品と同じだったのはびっくりでした。まあ、よくあると言えばそうなんですけどね。