レモンと本好きな人の記録

レモン味が大好きな人です。毎年期間限定のレモン味の商品のレビューをしていこうかなと思います。

読書感想

ほのぼの妖怪小説。怪異と言っても、不思議な方のお話。

「ちんぷんかん」 畠中恵著 大人気のしゃばけシリーズの中の1つです。お話は主人公が大店の若旦那で妖怪は見えるんだけど身体は滅法弱い人で御付きの妖怪達がわきゃわきゃしながら、不思議な話を解決していくという連作短篇集です。とは言え途中から読んで…

ちょっと鬱入りそうなお話しなので注意。でも描写や知識は的確です。

「算学武士道」 小野寺公二著 久しぶりに和算が出てくる小説の紹介です。 こちらは、あらすじとしては幕末、仙台に和算を教えにきていた主人公はふとした事で、新政府軍に対抗するゲリラ組織に参加して、合意の上とはいえ、親友を手にかけてしまいます。 そ…

3つのテーマがあるけど、まだうまく融合していない。

「埋められた匣」 日向遼著 さて、今年最後の投稿は和算小説の紹介です。 少し前、まだ世間が不景気だったころ。三年前に起こった工場の経営者の失踪とコインロッカーの青酸カリの事件、そして、裸で見つかった記憶喪失の男。この事件が一本の糸で結ばれると…

結構かためな感じだけど、意外と面白い(数学的に)。

「算額武芸帳」 金重明著 内容は1人の和算の研究者の生涯を描いた連作短篇集です。 最初に小さい頃からの話から始まり、伝記調に語られるので、えっと思いましたが、この話はこういうスタイルが良いのかも。話しは数学の面白さに目覚めた後、遊歴和算家(各地…

和算が好きな人っていつも頑固な人という風に書かれてる気がする。ちょっと嫌だな。

「お宿如月堂庵へようこそ」 中島久枝 江戸の家事は名物と言いますが、当事者にとっては大変です。このお話の主人公も家事で焼け出されてしまいました。しかも唯一の肉親のお姉さんは行方知らずで、姉さんの奉公先だった油問屋は火元とされて散々な目に。そ…

一応話しは終わってますが、2巻に続くらしいです。

「算額タイムトンネル」 向井湘吾 さて、久しぶりに本の感想です。 今回の本はこれ。いろんな和算の出て来る小説を読んでますが、ここまで直球なのは久しぶりです。 あらすじとしては、現代の女子高生が友人の神社にあった算額を通じて江戸時代と連絡が取れ…

話の流れの唐突さと、悪役の背景が分からなさ過ぎて・・・今後に期待。

「茜空 大江戸算法純情伝1」山根誠司著 2018年 作者は理系の人で過去に和算の本も出していた人です。今回が時代小説デビューになるとの事。話としては算術の才能がある下級武士の青年が江戸の武士の家に養子の話が来るという、願っても無いチャンス。それな…

1時間ドラマを見ているような安心した語り口、映像も浮かびます。

「喧嘩名人 剣客太平記」 岡本さとる著 2012年 江戸に住んでいる若き剣客峽竜蔵とその門弟たちとのあれこれの揉め事などを解決する連作短編集、こちらは5冊目になります。作者は水戸黄門とか必殺仕事人とかの脚本を書いていたようで、たしかにそんな感じのお…

宮仕えの哀しさとか、辞めて自由になるとか中年向けのお話。

「つまをめとらば」青山文平著 今回も時代小説、そして短編集です。舞台は文化文政のころの江戸。まあ、使いやすい舞台ではあります。そして、武士(貧乏な旗本や藩士)とその妻(妾)が主人公です。職業などは色々ですが、大体は今の仕事(もしくは勤めや家の事)…

和算家ってこんな感じの人が多いかも。

「理屈が通らねえ」著者 岩井三四二 算法家が諸国を漫遊したら、どうなる?というわけではないでしょうが、意外と実際の和算家も出かけていって教えたり、習ったりしていたようです。主人公は江戸でもっとも権威のある長谷川道場の高弟。難問の十字環の体積…

基本的に日常の不思議を解決するミステリ風時代小説

「泣き虫先生、幽霊を退治する 手習い所純情控帳」誉田龍一著 江戸時代の寺子屋を舞台とした、歴史小説。と言っても日常の小さな謎を解決する定番のお話で、長編ではなく連作短編です。ネタもお手軽で、展開も早いのでサクサク読めます。主人公は元は武士で…

未単行本の連載分があったら読んでみたい。

「算法少女」 秋月めぐる著 遠藤寛子さんの同名の小説の漫画化。ストーリーは和算が好きな少女あきが、主人公。父親は医者で和算を勉強していて、その父に教えてもらってるよう。そんな時近くの神社に掲げられた算額の間違いを指摘して、関流の道場との諍い…

子供向けだからか、幼少期の話が多くてあとは駆け足気味。

「咸臨丸にかけた夢 幕末の数学者 小野友五郎の挑戦」 著者 鳴海風 さて、またまた鳴海さんの和算小説です。 今回は咸臨丸で航海長をした、小野友五郎の小説です。 こちらは以前書いた小説「怒涛逆巻くも」を子供向けに書き直した本です。 そのためか話しは…

去年の読書感想文選定図書、良い本です。

「円周率の謎を追う」 著者 鳴海風 さて、今回も数学絡みの本を紹介です。 今回の主人公は関孝和。傍書法や行列式の発見などを成し遂げたすごい人です。まあ、江戸時代の数学者のなかで1番有名ですね。 この人の円周率について思いを巡らす青年時代からの人…

役人は辛いよ・・・

「竜と勇者と配達人」 グレゴリウス山田 レモン商品をバリバリと紹介したいのですが、何せ今はほとんど無く、こんな感じで読んだ本の感想などを挟みながらボチボチと更新していきます。 今回はこちら。少し古いですが、「中世実在職業解説本」の作者です。 …

ちなみにおえいというのは伊能忠敬の年をとってからの妻の名前だそうな。

「猫暦」全3巻 作者 ねこしみず美濃 ねこ好きのためのコミックねこぱんちで連載されていたお話です。 江戸時代ものでしかも天文学が主題です。 時代は寛政年間、ちょうど改暦を行なっていた頃ですね。 主人公はおえいと言う少女で、貧乏な道場の娘さんですが…

江戸時代の庶民の姿と事情がよくわかります。

「銀杏堂手ならい」 西條奈加 寺子屋の先生のお話という事で、和算の話が出ないかな〜と思って購入。 内容は寺子屋の先生が捨て子を拾って育てながら筆子(生徒)とともに成長していく連作短編集です。 主人公は寺子屋の娘で子供ができずに出戻りとなった女性…

江戸時代✖️西洋数学であって和算はそこまで関係ない。

「彩菊あやかし算法帖」 青柳碧人 算法と江戸時代のような雰囲気につられて購入。作者は「浜村渚の算数ノート」で有名な人。もちろん私も読んでます。 内容は妖怪退治に数学の知識で立ち向かう話。主人公の女性は算法が出来て、寺子屋で教えているという設定…

内容の展開も良いし、文章も読みやすい。真似したいです。

「数学ガール」 著者 結城浩 さて、今回の数学小説はご存知数学ガール。恥ずかしながらまだ読んでませんでした。 どの本も面白そうなのですが、やはり、最初の本から読まないとね。という事でこちらから。 内容は数列の一般項の求め方や収束について。オイラ…

結城さんの本はちゃんと買おうと思いました。

「才能を引き出した情報空間」 トップランナーの図書館活用術 才能を引き出した情報空間 (ライブラリーぶっくす) 作者: 岡部晋典 出版社/メーカー: 勉誠出版 発売日: 2017/07/31 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る いつもは小説の感想が主ですが…

最後のオチは賛否両論あるみたいやけど、私は良かったと思う。

怨讐星域3 約束の地 著者 梶尾真治 さて、このシリーズ最終巻です。目的地に着いた世代間宇宙船とそれを迎え撃とうとするニューエデンの人たち。 それぞれの緊迫した状況があり、ついに対面を果たした人たちはどうするのか・・・という話ですが、ちょっと展…

途中ダレるかと思ったけど以外と早い展開。

「怨讐星域2 ニューエデン」 著者 梶尾真治 さて、移民SFの2巻目。物語は一気に加速して、移民船は中間点の減速からいよいよ到着間近の話しです。また、約束の地にジャンプしてきた人たちも1巻の原始的な生活から一気に発展した現代と変わらない生活を謳歌し…

王道のSF。今後2つの人類の邂逅が楽しみ。

「怨讐星域1 ノアズアーク」 梶尾真治 早川文庫の電子書籍が半額セールだったので買って見ました。 梶尾さんの作品は「黄泉がえり」とかよりも「思い出エマノン」とか「クロノス・ジョウンターの伝説」のSFマインドが高い方が好きですね。 この作品もそんな…

これはもう王道の青春小説です。

「青の数学」 著者 王城夕紀 えっーっと、私、理系出身なのでこういうがっつりとした理系の話?は読みたくなります。しかも作者は以前読んだ人と言うことで購入しました。 主人公は一目見た数字を覚える天才で、数のつながりも見つけるのが得意なんだけど、…

後から色々と設定を足してるのでも、それでも良かったわ〜。

「クロノスジョウンターの伝説」 著者 梶尾真治 この人の作品は昔エマノンを見てからずっと気になってましたが、なかなか手に取らず、久しぶりに買いました。 こちらも10年近く前に舞台化されて、大きな話題となった作品です。 この作者はタイムトラベル物は…

この世界観のリンクの深さがハードル高いよね。

「彼方に竜がいるならば」 著者 上遠野浩平 ライトノベルでは 「ブギーポップ」とか「ソウルドロップ」シリーズで有名な作者ですが、出した作品全てが他のとリンクしている事でも有名です。 こちらの本の元のシリーズ、「事件シリーズ」でも、舞台は魔法あり…

最後に和算の研究者から話を聞いたとあり、描写の正確さに納得

お師匠様、整いました! 作者 泉ゆたか さて、久しぶりの読書感想文。今回はこの本。歴史小説新人賞を受賞した作品だそうです。 内容はタイトルから分かる通り、江戸時代の寺子屋が舞台。数学者として地域では有名だった夫が亡くなった後、寺子屋を続けてい…

こんな恋愛は切ないなぁ。

「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」 作者 七月隆文 はい、最近公開された映画の原作です。 本自体は2年前に出ているものです。この映画は京都が舞台ということで、気になっていたので、読んで見ました。 最初のプロローグから、京阪線が出て来て叡電も…

怖いけど悲しくて、また謎解きも少しある。

「私のサイクロプス」 作者 山白朝子 さて、今回は私の好きな作家の本です。この人の作品は怪異物が多いのですが、読後になんとも言えない静けさがあります。 覆面作家としてデビューしてますが、最近、某有名な切なさの達人の作家さんだとわかりました。 と…

ある意味懐かしすぎる情景が広がります。

「昭和な街角」 作者 火浦功 何というか、まだ新刊が出るのが奇跡のような作家です。とはいえ、これは過去の未収録作品集。いずれも1989-1990と前時代の作品ばかりです。 中身は短編が多く(つまりこの頃から長続きしない作品ばかりですが)、さっと読めるぐら…